帝国奈良博物館本館(現・仏像館)

どんなたてもの?
・1894年(明治27年)に完成
・奈良で最初の本格洋風建築
・設計は片山東熊
・現在は奈良国立博物館の「仏像館」として活躍
博物館としての詳細は
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外観
仏像好きの聖地・奈良博の仏像館。

奈良初の本格洋風建築ですが、最初は不評だったらしい。
まあたしかに、寺社だらけの奈良で洋風ってねえ、とは思うかもしれないですね。
洋風建築とはいうものの、完全な洋風というよりも、なんとなくインドっぽさも感じるのは私だけであろうか。
現在は西側は閉まっていますが、昔はこっちが入口だったそう。
なので、柱の上にくし形ペディメント(屋根のしたにある三角形の部分)がある。

下から見上げる。

木骨レンガ造り(木造の軸組の間をレンガ壁積んでいる)、モルタル外装。
柱や蛇腹部分は相州産の澤田石で化粧をしているそう。
目立たない色味だけど、装飾もやっぱりすごい。

さて、北側にまわってみます。

基礎部分に使用しているの伊予大島産の花崗岩らしい(館内説明パネルより)。
ちなみに南東側はこういう感じ。

現在の入口は東側(本館側)にあります。

マメ知識:耐震性に配慮したたてもの
工事前年に濃尾大地震があったので、耐震性に配慮して、外壁にはほとんど窓を設けていないのだそう。
レンガ壁の厚さも部屋の大きさに応じて変えてあるんだとか*1
内部の様子
平屋建てなのですが、高さがあるので全然そう感じない。
5メートル超えの仁王像さえおさまってしまう空間です。

天井が明るいのは越し屋根(屋根の一部中央が立ち上がっている)から採光しているのですね。
休憩所へ行ってみよう
たてものについて知るなら、ぜひ休憩所へ。
ちょっとした説明コーナーが設けられています(撮影OK)。



ベンチに座って見回してみる。

ここから天井を見上げてみます。


アーチや柱の装飾。


その場にいるときも「すごいなあ」と思ったけれど、改めて写真でじっくり見ると、もっとすごい。
(参考)新館・青銅器館ともつながっている
なら仏像館から地下への階段があり、地下回廊を通じて新館のほうに行けるようになっています。
また、青銅器館とはわかりやすい形で連結している。


遠くから見るとよりわかりやすい。

青銅器館は昭和12年に建設(2002年内部改装)。
おわりに
鹿さんの本拠地である奈良公園内に位置する西洋建築ですが、比較的低層で、どことなく落ち着いた色味のおかげか、自然とも非常になじみがいい建物だなあと感じます。
展示も非常に充実していますので、私にとっては大好きな場所です。
展示物などはメインブログで詳しく紹介しています。
【奈良国立博物館】年パス持ちのファンがつづる観覧ガイド【総合】 - 仏像、ときどきワンダー観光
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*1:構造デザインマップ 関西 p.186