大学のキャンパスや楽器店が多いイメージの御茶ノ水。
学生の頃など、なにかと行く機会はあったのですが、意外とゆっくり散策したことがないなぁ、と今更気づきました。
といわけで、先日、ちょうど御茶ノ水に行く用事があったので、建築物めぐりをしてきました。
※2018年頃の記録です
ニコライ堂(東京復活大聖堂)
JR御茶ノ水駅聖橋口から徒歩二分。
ビルばかりだろうと思い込んで歩いていると、独特の建物が現れてびっくりします。
比較的シンプルですっきりした外観です。
屋根の緑色と、壁のオフホワイト(ベージュか)、装飾や柱などの茶色。
この3色がとてもよく調和しています。
それにしてもこの感じ、どこかで見たことあるな……と思ったら、旧岩崎邸でした。
ニコライ堂も旧岩崎邸もジョサイア・コンドル氏の設計です。
こうして写真を比較すると、決して酷似しているわけではないのに、頭の中で思い浮かべると「なんとなく同じ」印象になるから不思議です。
信者でないと教会内に入れないのかなと思いきや、夏期(4~9月)は午後1時~4時まで、冬季(10~3月)は午後1時~3時半まで拝観可能(※拝観献金300円)とのこと。
教会内に入ってみると、外観から想像つかないほど煌びやかでした。
黄金色の空間といった感じ。
祭壇の近くまでは信者の方でないと入れないので、手前のエリアにて(長椅子がおいてあります)、しばし黄金色の空間を味わいました。
派手な図柄ではありませんでしたが、ステンドグラスもきれいです。
外に出ると、一気に現実に戻ったというか、どこか別の世界に行っていたような、不思議な感覚に陥りました。
それだけ神秘的な、祈りの空間、ということなのでしょうね。
湯島聖堂
徳川綱吉が林家の家塾をここに移したのが始まりだそうです。
その後、昌平坂学問所が置かれていました。
近代教育発祥の地、といった位置づけ。
もとの建物は関東大震災でほぼすべて消失し、現在の建物は昭和10年に再建されたものだそうです(設計:伊藤忠太)。
中は見られなかったので、大成殿の外観だけ眺めました。
ちなみに、大成殿内には「孔子及び四尊像」がまつられているらしいです。
鬼龍子(きりゅうし)と鬼犾頭(きぎんとう)
大成殿を見ていると、「おや、屋根になんかいるぞ」と気づきました。
獅子?というよりは犬のような虎のような猫のような……。
と不思議に思って調べたところ、鬼龍子(きりゅうし)なる想像上の霊獣らしいです。
こちらは鬼犾頭(きぎんとう)。
想像上の魚神ですが、火事を防ぐ役割らしいので、シャチホコの仲間のようです。
(日本金属屋根協会のウェブサイトの「銅屋根クロニクルNo.7」に詳しい情報が記載されていました。ご興味ある方はご覧ください。)
神田明神
随神門、きらびやかですね。
この門をくぐると社殿に向かって右方向から迎えてくれる大黒様が。
比較的新しい石像の感じですね。
昭和51年完成だそうです。
大黒様の背後にはなにやらハイカラな建物が見えます。
「文化交流館」なる建物。
カフェやお土産屋さんはもちろん、400席規模のホールまであるそうな(公式ホームページより)。
都心の神社って、時代にうまく合わせているというか、スタイリッシュなところが多いですよね(飯田橋の赤城神社とか最たる例か)。
伝統も、時代に合わせながら変わっていく場合もあって、それも新しくて良いなと思います。
一方、伝統をきっちり守り続けているところもまた、見ごたえがありますよね。
狛犬
社殿の前にはおなじみ狛犬(と獅子)が。
前足の筋肉がすごい。胸筋もすごい。
強い系の狛犬ですね。
狛犬の写真ばかり撮っていて、社殿の写真を撮り忘れました(汗)。
まぁ、参拝は忘れなかったので、よしとしよう。
獅子山
社殿の左となりには「獅子山」なるものが。
能の出し物『石橋(しゃっきょう)』にちなみ、親獅子が子獅子を谷底に突き落とし、はいあがってきた子をはじめて我が子とするという内容を造形化したもの。今日では、かわいい我が子に厳しい試練を与えるたとえとして知られている。
神田明神公式ホームページより引用
なるほど、「獅子の子落とし」ってやつですね。
親獅子は江戸時代末期の作らしいです。
子獅子のほうは、関東大震災で紛失。
親獅子のみ保管していたそうですが、天皇陛下(おそらく現在の上皇陛下)御即位を祝って子獅子が新調されたとのこと。
他の神社では見たことがなかったので、なかなか印象に残りました。
おわりに
あまり時間がなかったので、さらっと見学していった感じでしたが、なかなか楽しめました。
個人的には、教会を見学したことがなかったので、ニコライ堂は非日常感がありました。
普段よく見ていないだけで、おもしろい建造物というのはたくさんありますね。